1995年の放送開始から1年間、多くのファンの胸を熱くした『新機動戦記ガンダムW』。そのテレビシリーズで描かれたコロニーと地球との戦争から1年後に、主人公ヒイロたちの住む世界で再び巻き起こる戦いを描いたOVA作品『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』のBlu-ray Box発売記念イベントが東京・新宿ピカデリーにて3月30日(日)に開催された。3話に渡り描かれた戦いの物語を、イベントの参加者は劇場の大画面で鑑賞。改めて物語の奥にあるヒイロたちの気持ちやモビルスーツの活躍を目にしたのだった。
その会場にゲストとして登壇したのは、ファンからもらった当時のTシャツを着て登場し、『ガンダムW』愛を見せるヒイロ・ユイ役の緑川 光氏、そしてデュオ・マックスウェル役の関 俊彦氏の2人。関氏は、昨年11月に開催されたテレビシリーズBlu-ray Box発売記念イベントではコメントのみの参加だったため、「こんなにたくさんの人たちが『ガンダムW』を好きだということが本当に嬉しいです」と笑顔を見せた。
さらに、「ロボットアニメの手描き感があった作品の仕事をやらせていただいたんだというのが、この時代になると逆に得した感があります。手描き感の絵のあたたかさというのは、デジタルでは表せないものがあると思います」と、発売から17年経った今作について振り返った。
一方の緑川氏は「年数で聞くと“マジ!?”って思うんだけど、お仕事としては年に1回くらいの感じでやっているので、そんなに自分の中で昔の作品という印象はないです。それも不思議な感じですけどね。昔の作品をやり続けることは少ないと思うので」と話した。
和やかな雰囲気のトークでスタートしたイベントは、『ガンダムW』について改めて学ぶという講義のコーナーへ。『ガンダムW』は多くの女性ファンを獲得したり、放送後にOVAが出来た初作品であるなど、ガンダム35年の歴史の中でもエポックメイキングな作品だという話を聞いて納得する2人が印象的だった。続いて『ガンダムW』の世界の年表を紐解く話へと展開。会場のスクリーンに映し出された「モビルスーツ自爆」の表記に「主人公機のわりに扱いが悪かった」と笑う緑川氏。さらに『Endless Waltz』の年表へも言及。テレビシリーズは約9ヵ月のことを1年に渡って見せていたが、OVAでは3日の出来事を3話で、濃厚に見せているとのこと。トークはBlu-ray Boxに封入されるピクチャードラマの話や、収録の裏話へも。OVAでの世界からさらにその後が描かれるピクチャードラマには、初老のデュオや五飛が出てくるということで、2人は「初老」の定義とは?という話で盛りあげ、笑いも誘っていた。
そんな楽しい時間の後、観客は『Endless Waltz』の第3話、そして特典ピクチャードラマを映画館の大画面で堪能した。ヒイロやデュオ、そしてトロワ、カトル、五飛の息つくひまもないほどの熱い想いと戦いを大迫力で感じたところで、再び、緑川氏と関氏が登場。『Endless Waltz』のアフレコ裏話を披露した。テレビシリーズから1年後が描かれているので、モビルスーツにも変化が様々あった今作。そのモビルスーツの変化を、アフレコの現場で初めて目にすることになり、声優たちもざわついたとか。もちろん「ずっとそれに乗っていたかのような」演技でヒイロの心情を演じていったという。
ピクチャードラマの収録の裏話では、止まっている絵に向けて声をつけるというのは珍しい機会なので、楽しかったという緑川氏に対し、父と息子、二役の声を演じた関氏は「正直きつかった」と笑う。デュオの年をどう取らせるか、そしてデュオJr.の声は弾ける若さを出すことを意識したと話した。またオーディオコメンタリー収録の裏話も飛び出し、共演者とのやりとりの話など、ファンには嬉しいトークとなった。
そして、イベントはプレゼントコーナーへと突入。賞品はバンダイビジュアルに残されていた掘り出し物の当時のポスターに2人のサインを入れたもので、そのレアぶりに観客席からは歓声があがる。緑川氏も「自分でも欲しいんですよ。好きなデザインもあって」と羨ましがっていたが、プレゼント当選者の喜ぶ姿に緑川氏と関氏も表情を綻ばせた。
関: | 17歳の人、それ以下の人とで尋ねたら何人か手を挙げてくださる、そんな非常に稀有な作品になりましたけれども、この後もみなさんがこの『ガンダムW』を先に先に渡して繋いでいってくれると嬉しいと思います。 |
緑川: | 子供の頃から憧れて掴むことのできた夢のひとつだと思っているので、これからも応援していただけるととても嬉しいです。とても素敵な作品に関わることができて幸せだと思っています。みなさん、ありがとうございました。 |
と、それぞれ『ガンダムW』への想いを語り、イベントは終了。17年を経てもなお愛される『ガンダムW』の魅力を改めて感じさせる夜だった。
▲同じ栃木県出身でもある2人の呼吸はぴったり。またクールなヒイロとつい茶化してしまうデュオの性格をそのまま表すようなテンポのトークに会場は終始笑い声が湧いた。
▲この日は『ガンダムW』のTシャツを着用して現れた緑川氏。「いつまでもオタクなので、こうしてTシャツを着ることも出来て嬉しいですね」と作品への愛と喜びを語る場面も。
|
▲テレビシリーズBlu-ray Box発売イベントには参加が出来なかった関氏は「前回は声だけで参加でしたが、ようやく来られました」とファンと対面できたことを嬉しそうに話した。
▲今回プレゼントコーナーに登場したのは放送時のポスター。なんとバンダイビジュアルにも2枚しかなかったという超貴重なものまで。両氏とも「これは欲しい」と思わず声をあげていた。
文:えびさわなち/編集:レッカ社
■「月刊ガンダムエース6月号」にゲスト陣のインタビュー掲載決定!
イベント当日は、登壇者である緑川氏、関氏へのインタビューも行われた。その模様は4月26日(土)発売の「月刊ガンダムエース 2014年6月号」に掲載される予定となっているので、こちらもぜひチェックしてみよう。
CLASSIFICHE
POST CONSIGLIATI
Abilita i cookie per visualizzare gli articoli raccomandati