6月12日(日)、神奈川県・パシフィコ横浜 国立大ホールにて、ジオン公国軍の人々を主軸に、戦争の当事者の立場から宇宙世紀を追体験できるイベント「ガンダムLIVE EXPO ~ジオンの世紀~」が開催された。
昼夜2回開催となった本イベントでは、どちらの回にも全国から多くのファンが駆け付け、会場は熱気に包まれた。またロビーには、各ガンダムシリーズの制作に用いられた貴重な資料や宣伝用のポスターが飾られており、多数の来場者が食い入るように眺める光景も。
『機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096』、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』、『機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY』、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』ら、現在進行形の作品に関しては、展示物の撮影もOKとなっていた。
また、ロビーに飾られていた貴重な資料の一部を掲載するパンフレットや、ジオンマークをあしらったTシャツ、ポロシャツなども販売。こちらも盛況となり、開演前から宇宙世紀に想いを馳せられるイベントとなった。
ムードも高まった中、ステージは開演。今回のイベントは、福井晴敏さん(『機動戦士ガンダムUC』ストーリー)と隅沢克之さん(『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』脚本)が共同で脚本を手掛け、オリジナルキャストが新規に声を収録したアフレコパートと、各作品を彩る主題歌を生で聴くことのできるライブパートからなる構成となった。
まずは、本作の狂言回し的なポジションであるミネバ・ラオ・ザビによるモノローグが、ミネバ役である藤村 歩さんによるアフレコで行われた。藤村さんは声のみの出演であったが、舞台にはジオン軍服を纏ったミネバらしき女性が姿を現すという仕掛けもあり、こちらも観客を驚かせた(ちなみに、このミネバはU.C.0096の争乱以降に身を隠したミネバ、という設定)。
続いて、キャスバル・レム・ダイクン(シャア・アズナブル)役の池田秀一さんがステージに現れ、『THE ORIGIN』の映像を交えながらシャアの心情をモノローグ形式で語っていく。このパートのラストには、石田 匠さんが登場し、『THE ORIGIN II 哀しみのアルテイシア』の主題歌「風よ 0074」を熱唱。宇宙世紀に抱かれるような包容力のある歌声を聴かせてくれた。
池田秀一さんからバトンを受ける形で、アルテイシア・ソム・ダイクン(セイラ・マス)役の潘めぐみさんが登壇。ムンゾ時代の想い出を感傷的なムードで語るモノローグを披露した。さらに池田さんも登場し、ザビ家への復讐を決意し、キャスバルからシャアへと変貌していく様子をその深みのある声で切々と表現していった。
『THE ORIGIN』コーナーが終了すると、『機動戦士ガンダム第08MS小隊』コーナーへと移行。こちらもシロー・アマダ役の檜山修之さんによる新規アフレコで、シローの視点から08小隊、そしてアニメ全体を振り返るものとなっていた。コーナーの終わりには、米倉千尋さんが登場し、主題歌「嵐の中で輝いて」を歌唱。そのパワフルなボーカルで会場を盛り上げた。
ここで一旦、映像/アフレコパートから、トークコーナーへ。6月25日(土)からイベント上映がスタートする『機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY』から松尾 衡監督、音楽担当の菊地成孔さんがステージに登場。菊地さんが音楽制作のみならず、実際に映像と音を合わせる整音作業にも参加したという制作秘話や、『DECEMBER SKY』の見所についてトークが交わされた。
『DECEMBER SKY』のPVが流されたあと、ライブアクトとしてICI a.k.a.市川愛さんが着物姿で登場し、キュートなオールディーズポップス「あなたのお相手」を、菊地さんが手掛けたという振付つきで披露。続けて、今秋からTVシリーズ再開が予告されている『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』のPVも流され、ガンダムシリーズの幅の広さを改めて感じられるものとなった。
再び映像/アフレコパートに戻り、紹介されたのは『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』。デラーズ・フリートによる「星の屑作戦」を、アナベル・ガトーの視点で振り返る特別編集映像となっており、ガトー役の大塚明夫さんが新規にアフレコを行ったモノローグも追加されていた。こちらもラストには、MIQさんによる「MEN OF DESTINY」が披露され、OVA発売当時と変わらぬ圧倒的なボーカル力で観客を沸かせた。
ミネバ視点によるモノローグが追加されたのち、時はグリプス戦役が繰り広げられた『機動戦士Ζガンダム』以降の世界へ。こちらもカミーユ・ビダン役の飛田展男さんが新規でアフレコを行い、カミーユ視点で三つ巴の戦乱を振り返るものとなっていた。さらに『機動戦士ガンダムΖΖ』や、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』、『機動戦士ガンダムUC』と混迷の宇宙世紀を振り返ったのち、エンディングには、純白のドレス姿の森口博子さんが登場。『Ζ』のOP曲である「水の星へ愛をこめて」を映像をバックに歌い上げ、観客席にも大きな感動が広がっていった。
ここからはミネバ視点&シャア/フロンタル視点へのモノローグが再開され、潘さんと池田さんがステージへ。『Ζ』、『逆襲のシャア』、『UC』の映像と共に、ミネバやシャア/フロンタルの動きと感情が示されていった。さらに、『UC』で主題歌を歌っている女性ボーカリスト、Aimerさんが登場。「RE:I AM」、「StarRingChild」の2曲を、ピアノとのデュオで歌唱し、『UC』の壮大な世界観をその歌で表現していった。
アフレコパートのエンディングは、『THE ORIGIN』の映像も織り交ぜながら潘さんと池田さんによって語られ、宇宙世紀という「無限の宇宙」を観客に示して終了した。その後、潘さんと池田さんによるトークショーが行われ、「私にもこみ上げるものがありました。『THE ORIGIN』にも活かしていければなと思います」(潘さん)、「(劇中では)アルテイシアを置いていっちゃったんで(笑)、共に過ごすことが出来てよかったです。みなさんのおかげで再会することができました」(池田さん)と、当日のイベントの感想と、観客への感謝の気持ちを語っていた。
さらにトークショーの終わりには森口博子さんが登場。『THE ORIGIN IV』の主題歌を森口さんが歌うことがサプライズで発表され、観客から大きな拍手が巻き起こった。エンディングは、『機動戦士ガンダムF91』の映像と共に、森口博子さんが『F91』の主題歌「ETERNAL WIND~ほほえみは光る風の中~」をオリジナルバージョンで披露。多数の映像と出演者で繰り広げられた「ガンダムLIVE EXPO ~ジオンの世紀~」を締めくくるにふさわしいバラードが会場に響き渡った。
イベントの最後には、出演アーティストが登場し、会場は再び大きな拍手で包まれた。そして「ジオンの世紀」というサブタイトルに合わせ、出演者・観客を含めた会場全員で「ジーク・ジオン!」とコール。約120分にも及ぶ一日限りのステージは、最高の形で大団円を迎えることとなった。
(ガンダムインフォ編集部)
GUNDAM LIVE EXPO ジオンの世紀
[日時] 2016年6月12日(日)
[会場] パシフィコ横浜 国立大ホール
[日時] 2016年6月12日(日)
[会場] パシフィコ横浜 国立大ホール
CLASSIFICHE
POST CONSIGLIATI
Abilita i cookie per visualizzare gli articoli raccomandati